全宅連の不動産研究所は、調査期間2021年7月9日~7月19日の間に全宅連モニターに対してインターネットアンケートによる調査を行いました。調査内容は不動産取引価格、取引について調査月および3ヶ月後の見通しについてです。
居住用賃貸物件の空室率の動向に着目してみると、現在の動向・3カ月後の予測動向ともに、「やや改善してると思う」が1割弱で、「横ばいである」「 やや悪化している」「 大きく悪化している」が9割を占めていて、現場の肌感覚として空室が増えているといえます。
賃貸経営のリスクの一つである空室について、なぜ自分の物件が空室なのか理解して対応できるようにしたいものです。
空室にはワケがあることを知る
空室対策を行う上で空室に悩んでいる物件がいまどんな状況か知ることから始めます。ここが入口なので、やみくもに賃料を下げたり、設備を導入しても結果利幅が少なくなるため効果的ではありません。
そもそも内覧がない
内覧がない理由は掘り下げると以下のように分けることができます。
賃料が高い
株式会社リクルート(SUUMO)が2018年度賃貸契約者動向調査のなかで首都圏における決め手となった項目とやむを得ずあきらめた項目を散布図に表しています。対象は首都圏ですが、家賃が重要であることは全国共通ではないでしょうか。
物件周辺の同年代、同種の賃料相場は把握しておいて、あえて安く、あえて高くなど戦略的に賃料を設定することが重要です。
設備が不十分で検索されていない
部屋探しの主流は、スマホやパソコンからポータルサイトに入り、地域・賃料・契約条件・設備などの項目をチェックボックスをチェックして表示された物件の中から選びます。
なので、必須設備(エアコン等)や人気設備(インターネット無料等)が必要十分についている物件は検索結果に引っ掛かり、多くの方の目に止まることになります。
近年、部屋探しで不動産会社を訪れるお客さんは、平均して1.5件の不動産会社に訪問します。また、内覧件数は2.7件と、不動産会社訪問数、内覧件数ともに減少傾向にあります。
これは、事前に募集情報を精査して、「このお部屋ならいいかも」と思って募集資料に掲載されている不動産会社へ問い合わせていると言えます。
入居者目線で不足している設備は導入しましょう。
インターネット広告の写真が弱い
コロナ禍の部屋探しにおいてはオンラインで内見を行ったり、360度カメラで撮影した映像を組み合わせてバーチャル内見ができる物件もあり、自宅に居ながら部屋の状況がわかるので便利になりました。来店して部屋探しをされる方は今後減少傾向にあるといえます。
少なくとも、写真点数は豊富にしておき、外観や水回り、お部屋や収納など、物件資料の写真を見れば状況がわかるようにしておきたいです。注意点は、写真が暗くならないように照明は全部つけて撮影することです。写真のイメージががらりと変わります。
また、広角レンズで撮影される方もいますが、お部屋を広く見せる手法として最適ですが実際内覧に行った時とイメージが乖離しますのでわたしはお勧めしません。
その代わり、部屋のコーナーに座り床を映せばスマートフォンのカメラで撮影しても部屋を広く見せることができます。
賃貸仲介が得意ではない不動産会社に依頼している
不動産会社にも得手不得手があります。業務内容が、売買・賃貸・管理・開発等何に精通している会社か把握しておかないと、思うような結果にはなりません。
賃貸仲介や管理に強みをもつ不動産会社に募集を依頼すればポータルサイトへの掲載、オンライン内見やバーチャル内見などのツールを駆使して広くお客様の目に触れる機会を提供してくれます。
広告料などを求められることがありますが、働きに対しては支払うほうがいいと思います。物件調査費用や広告費用と思い、成約時に1~2カ月分の費用を支払ってでもその分空室期間を短縮するほうが機会損失を抑えることができます。
内覧はあるが契約に至らない
内覧はあるのに契約に至らない場合、原因の多くは現地の建物や部屋の中にあります。
部屋に清潔感がない
前入居者が退去したのち、次の入居者が決まってからハウスクリーニングをかけるパターンがありますが、借り手市場の現在では致命的です。
特に髪の毛や水廻りの汚れが残っていると、内覧に来た方の印象は最悪です。部屋の商品力が高ければ掃除することを確約の上契約に至る事もあります。
多くの場合は入居希望者に敬遠されるので前入居者が退去後、速やかに清潔感のある部屋に仕上げましょう。

建物に清潔感がない
内覧に行くと、部屋より建物の状態が先に目に入ってきます。
- 自転車があふれかえっている
- ゴミが部屋前や廊下に置かれている
- ポストのチラシが散乱している
- 鉄部がさびて腐食している
- 壁や床に苔が生えている
- 蜘蛛の巣だらけ
- 草が伸び放題
- 入居者の荷物が共用部に出ている
空室対策で効果的なのは実は上記に挙げてあるような状態にしないことです。定期清掃を入れられている方は常時清潔な共用部が保たれているはずです。
定期清掃は重要な空室対策ですし、定期巡回することで建物の異常も早期に発見できるメリットがあります。オーナー自身で行うか、人に頼んでも行いましょう。

ついている設備が古い
内覧に行くと必ずエアコンの年式を確認されます。そして10年を超えていると難色を示される方がおおいです。
見た目にもカバーやルーバーが経年劣化で黄色くなってくるのでしかたありません。10年未満だと特に何も言われませんので、10年を目どに更新の計画を立てておいた方が賢明です。
とくに1K、1R等は一番目立つ設備がエアコンになってくるのでご注意ください。

その他、水道関係、台所・風呂・トイレは清潔感があれば問題ありません。家賃にあったものがついていて、清潔であれば内覧に来られた方はあまり気にされません。
その他
番外編として近隣の状況によって敬遠されることもあります。一番多いのが日当たりです。その他嫌悪施設が隣接している、隣家がゴミ屋敷や不安を覚える状態等です。
これらの問題を抱えている場合、ご自身の行動で解決できる場合は行動を起こし、解決が難しい場合は賃料を下げるなどして納得していただく方法が考えられます。
おわりに
空室の中身を状況別に分けてみてきました。不動産は個別性が強いので、立地・築年数・競合物件・入居してほしい方など、オーナーの皆様の戦略は様々だと思います。
なのでどの空室の場合も通用するような基本的なところの紹介となります。募集開始から2か月たっても契約が決まらない場合、問い合わせがあるのか、内覧は何件あったのか確認して、対策を打つようにしましょう。





コメント