
これまで明確にされていなかった心理的瑕疵の告知にガイドラインができるんだね!
2021年5月20日に国土交通省が「宅地建物取引業者による人の死に関する心理的瑕疵の取扱いに関するガイドライン」を発表し、6月19日締め切りのパブリックコメント(意見公募)を終了しています。
心理的瑕疵は、買主・借主の判断に影響を与えるもので、不動産業者は告知をする義務があります。しかし、これまで各不動産業者の判断で告知が行われており、告知が必要か不要かに関して一定の規定を設けることで不動産業者ごとの対応の差を無くすことが目的です。

告知義務がある場合
- 殺人
- 自殺
- 火災による死亡
- 特殊清掃が行われた場合の孤独死
ガイドライン案では入居者の心理的瑕疵の大きいものを事件発生から3年間の告知義務を設けました。
告知義務のない場合
- 病死
- 老衰
- 転倒などによる事故死
- 食べ物がのどに詰まった窒息死
- 死亡から数日がたたず発見された孤独死
単身高齢者世帯でお部屋で亡くなっても、特殊清掃を入れるほど腐敗が進行しなければ告知義務は無いと規定されました。
賃貸経営に与える影響
告知義務のない場合の例から見て取れるのは、これまで不動産業者によって告知の内容が違っており、亡くなった理由の如何を問わずその事実を告知対象にしなければならないと思い、そのため特に単身高齢者の入居を敬遠する傾向があると指摘もあります。
告知期間3年とその間の賃料について
下記に表は、全国の「平均居住期間」をあらわしたものです。

告知期間の3年とは、1回の契約期間で過ぎる可能性が高そうです。また、心理的瑕疵のある物件では一般的に賃料が2~3割安くなります。
「心理的瑕疵をあまり気にしない、賃料が安いのがいい」という需要は一定数存在します。そうした場合、日管協短観の平均居住期間より長く入居してもらえる可能性も出てきます。
高齢者の入居を拒まない社会へ
高齢者の入居を拒む大家さんは多いです。ですが高齢化率が上昇し続ける日本国内において、大家の立場から高齢者の入居を拒むことは社会的にも賃貸経営的にも難しくなってきます。
入居している高齢者の身に何かあったらどうしよう?
今回のガイドラインはこうした不安に対してリスクを明確にする一つの基準となるでしょう。
高齢者に安心して住んでもらえる物件づくりは今後の賃貸経営のポイントとなるはずです。



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