
賃貸物件の所有者「新築のアパートを建設した。サブリース契約を締結すれば、今後管理の煩わしさがなく、安定的に家賃収入が得られると聞いたけど、大丈夫かな?注意しておくことはある?」
こんな質問に答えます。
☑今回のテーマ
サブリース契約の締結について、仕組みと注意点が理解できます。
近年サブリース契約に関するトラブルが問題になっています。そこで2020年6月12日に賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律が成立しました。
今回はサブリース契約の仕組みや注意点を理解して、賃貸経営に生かしていけるようになればと思います。
サブリース契約の仕組み
サブリース契約とは、賃貸物件をその所有者から一括して借り上げ、サブリース会社が貸主となって入居者に転貸する仕組みを言います。
サブリース会社には、不動産会社や住宅メーカー、関連の不動産管理会社などの事業者が想定されます。通常満室時家賃の80%から90%程度の家賃を保証し、空室の有無にかかわらずオーナーに家賃が支払われます。
建物の管理や運営はサブリース業者が行うため、オーナーはクレームの対応や入居者の募集など煩わしさから免れるというメリットがあります。
この家賃保証期間は長期化してきており、30年一括借り上げが一般的で当初10年は固定家賃を保証している会社もあります。
サブリースの形態
サブリースの形態としては、土地所有者に相続税対策などを切り口に、アパートなどの建設を請け負い、完成した建物をサブリースする手法があります。
また、投資用不動産を販売する会社がアパートやシェアハウスなどの建物を建設し、金融機関と連携してローンとセットで土地建物を販売して、その建物をサブリースする手法も増えています。
サブリースのトラブル
近年、サブリースに係るトラブルが頻発していて、カボチャの馬車の運営会社によるずさんな管理、レオパレスや大東建託など大手事業者の契約に纏わるトラブルがニュースで取り上げられていました。
- 家賃保証期間中に事業会社から一方的な減額や解約を要求される事例
- 建築の際の手抜き工事や割高な建築費で契約を結ばせる事例
- 賃料を高く設定して実勢より高額な不動産価格で売却する事例
トラブルに巻き込まれないための注意点
サブリース契約の際に、建築費や賃貸住宅のローン返済も含めた事業収支やリスクについて十分理解する事が大切です。当たり前の事に聞こえますが、トラブルに発展する場合の多くは契約内容をよく理解していなかったために起こります。
- 設定家賃の妥当性はどうか
- 保証家賃の変更規定はどのようになっているか
- 空室保証の免責期間の規定
- 契約後の出費の規定
- 契約期間中の解約の規定
提案している事業者のみの話ではなく、建築の内容については一級建築士事務所、契約内容については弁護士や司法書士、設定賃料の妥当性について賃貸仲介営業を行っている不動産業者等にセカンドオピニオンを求めて、自身で契約内容の妥当性を実証しなければなりません。
サブリース規制とは
2020年6月12日に賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律が成立しました。サブリース契約を「特定賃貸借契約」と定義づけ、規制の対象者は「特定転貸事業者」と「勧誘者」です。
- 誇大広告の禁止
- 勧誘時の事実不告知、不実告知や拒絶意思表示後の勧誘等の禁止
- 重要事項説明の義務化
- 新法の定める事項を記載した特定賃貸借契約書の交付義務化
- 違反行為には行政処分、罰則あり
- 「特定転貸事業者」とは・・特定賃貸借契約に基づき賃借した賃貸住宅を第三者に転貸する事業者を言います。
- 「勧誘者」とは・・特定転貸事業者が特定転貸借契約の締結について勧誘を行わせる建設会社や不動産会社、金融機関、コンサルタント等を言います。
おわりに
賃貸住宅市場の内、8割のオーナーが管理を委託したりサブリース契約を結び賃貸経営を行っています。賃貸市場の変化が大きくなった現代では、賃貸経営をサポートしてくれる事業者とオーナーとの付き合いは重要になっています。信頼関係の構築のためにも納得のいく契約にしたいものです。



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