
住宅を購入予定の人「金融機関から借り入れをして、住宅を購入しようと思っている。住宅ローン減税という制度があるって聞いたんだけど、どんな内容?」
こんな質問に答えます。
☑今回のテーマ
住宅ローン控除の内容と手続きまでの流れが理解できます
個人が、住宅の新築、住宅の購入(新築・中古)、現在住んでいる住宅の増改築をした際に、金融機関から10年以上の融資を受けて住宅を取得した場合、所定の手続きをする事で一定期間、所定の額が所得税から控除されます。
控除が受けられる住宅の要件

| 要件 | |
| 新築住宅の場合 |
6. 所得要件:2,000万円以下 |
| 中古住宅の場合 |
4. 所得要件:2,000万円 |
| 増改築等の場合 |
4. 所得要件:2,000万円 |
令和4年度の税制改正で適用を受けることのできる中古物件が増えました

中古住宅の場合、これまでの要件は建築されてから20年(マンションなど耐火建築物は25年)以内の家屋である事、が条件でした。
今回の税制改正で昭和57年以降の新耐震基準適合住宅であれば住宅ローン減税が使えることが分かります。
耐震基準適合のための工事が進まない現状では、購入検討者の選択肢が広がったと言えます。
控除が受けられる借入金等の範囲
- 住宅取得等の資金として、銀行などの金融機関、住宅金融支援機構、地方公共団体等からの借入金で、その償還期間が10年以上の割賦償還の方法によって償還するもの。
- 建設業者に対する住宅の取得等の工事請負代金の債務、宅地建物取引業者、都市再生機構、地方住宅供給公社等に対する住宅の取得による支払い債務で、割賦期間が10年以上の割賦払いの方法によって支払うもの。
- 都市再生機構、地方住宅供給公社等の分譲した中古住宅の承継債務で、承継後の債務の賦払期間が10年以上の割賦払いの方法によって支払うもの。
- 給与所得者が、その勤務先から借り入れた借入金またはその勤務先に対する住宅の取得等の代金債務で、償還期間または賦払期間が10年以上の割賦償還または割賦払いの方法によって返済し、または支払うもの。

これらの借入金、または債務でその年の12月31日現在の残高が控除の対象となります。なお、借入金または債務には、住宅と共に取得する敷地の取得資金に充てるための借入金が含まれます。(住宅の取得に係る借入金と一体で借り入れたものに限る)
借入限度額ほか早見表
| 借入限度額 | 令和4年 | 令和5年 | 令和6年 | 令和7年 | ||
|
新築住宅 買取再販 |
長期優良住宅・低炭素住宅 | 5,000万円 | 4,500万円 | |||
| ZEH水準省エネ住宅 | 4,500万円 | 3,500万円 | ||||
| 省エネ基準適合住宅 | 4,000万円 | 3,000万円 | ||||
| その他の住宅 | 3,000万円 | 0円※1 | ||||
| 既存住宅 | 長期優良住宅・低炭素住宅ZEH水準省エネ住宅省エネ基準適合住宅 | 3,000万円 | ||||
| その他の住宅 | 2,000万円 | |||||
| 控除期間 | 新築住宅・買取再販住宅 | 13年 | ||||
| 既存住宅 | 10年 | |||||
| 所得要件 | 2,000万円 | |||||
| 床面積要件 | 50㎡※2 | |||||
※1:令和5年(2023年)までに新築の建築確認がされている場合2000万円
※2:新築の場合、令和5年までに建築確認すると40㎡、所得要件1,000万円
控除が受けられないケース

控除を受けられる住宅の要件を満たしていても、下記に記載する場合は住宅ローン控除を受けることができません。
- ⑴ その年分の合計所得金額が2,000万円を超える年(各年ごとに判断される)
- ⑵ 入居した年の他、その年の前年、前々年、あるいはその年の翌年、翌々年に居住用財産を譲渡して、下記のような特例の適用を受ける場合及び新築住宅を居住の用に供する年から3年目の年中に従前住宅等を譲渡して、下記のような特例を受ける場合。
イ.居住用財産の3,000万円特別控除
ロ.所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例
ハ.特定の居住用財産の買換え特例
ニ.中高層耐火建築物の建設のための買換え特例
- ⑶ 認定住宅をその居住の用に供した個人が、その居住の用に供した日の属する年から3年目に属する年中に従前住宅等の譲渡をした場合において、その者が上記⑵のイ又はロの適用を受けた場合。
- ⑷ 中古住宅の取得の場合において、その取得が配偶者や親族等の特殊関係者(その取得から引き続き生計を一にする者に限られる)から行われるとき。
これらの特例を受ける場合には住宅ローン控除は利用できません。
控除される金額の計算方法

算式:年末借入残高×控除率(0.7%)=ローン控除額
住宅ローン控除による控除期間の各年分の所得税から控除されます。
住宅ローンを借り入れると返済計画表が郵送されてきます。これに返済後残高が記載されています。
控除を受けるための手続き
住宅ローン控除の適用を受けるには、控除を受ける金額の計算明細書の他、下記の書類を確定申告書に添付して税務署に提出しなければなりません。
| 区分 | 添付書類 |
| 新築住宅の場合 |
⑴ 建物やその敷地の登記事項証明書、新築工事の請負契約書、または売買契約書の写し ⑵ 金融機関や建築業者等の借入先から交付された「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」 |
| 中古住宅の場合 |
⑴ 売買契約書、債務の承継に関する契約書の写し ⑵ 建物やその敷地の登記事項証明書 ⑶ 金融機関や建築業者等の借入先から交付された「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」 ⑷築後年数要件に該当しない場合は耐震基準適合証明書 |
| 増改築等の場合 |
⑴増改築後の建物の登記事項証明書 ⑵増改築等に係る工事の請負契約書の写し ⑶ 金融機関や建築業者等の借入先から交付された「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」 |
給与所得者の場合、2年目以降は年末調整の段階で住宅ローン控除の適用を受けることができます。
まとめ
税率改正で変更になったポイントは?
- 適用期限は令和4年1月1日から令和7年12月31日までの4年間延長
- 控除率0.7%
- 控除期間:新築の場合13年間、既存住宅は10年間
- 既存住宅を含め、住宅の環境性能等に応じた借入限度額の上乗せ措置を講じる
- 令和6年以降に建築確認を受ける新築住宅について、省エネ基準適合の要件化
- 既存住宅の築年数の緩和(耐火住宅25年以内、非耐火住宅20年以内から昭和57年以降に建築された住宅、いわいる新耐震基準適合住宅に緩和)
- 新築住宅の床面積の要件について、令和5年以前に建築確認を受けたものは40㎡以上に緩和(合計所得金額1,000万円以下の者の限る)
- 適用対象者の合計所得金額は2,000万円以下の者に限る
住宅ローン減税の税制改正について、上記のように優良な住宅に対して支援を厚くし、近年みられるようになった50㎡以下の新築マンション等のために要件が追加されたのがわかります。
既存住宅の築年数の緩和については住宅ローン減税が使える物件が増えて喜ばしいとともに、購入する前には建物の状態をしっかり把握してから購入しなければならないことが注意点として挙げられます。






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